ハイイエローアルビノ成長の軌跡
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ハイイエローアルビノ成長の軌跡

【まさに蛻の殻の卵と有精卵】RIMG0099

 

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【水ゴケの中から取り出したベビー(孵化後およそ1日)】

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出べそ7月9日

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【孵化後3日目 ヨークサックは、ほぼ吸収された】

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【甲長5センチ記念撮影 ハイイエローの片鱗、成長線がはっきりと出ている】
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 まえがき

 今までにこのHPや拙ブログにいろいろと書き綴ってはきたが、何か足りないことに気が付いた。そうベビーから育て上げてきた「成長の記録」をどこにも書いていないということである。現在種親としてキープしている個体は、ショップかブリーダー仲間からお譲りいただいた個体であり、それらの多くがベビーの時から育て上げたものである。繁殖までの道のりは想像以上に険しい。それゆえ今回、3年前に自家繁殖した「ハイイエローアルビノ」の成長の軌跡をここに記すことにした。読者諸兄にとって少しは役に立つことを書くつもりなので参考にして欲しい。

1章 孵化

    2012年7月8日、その日は突然に訪れた。この日は、大阪と岡山の亀友宅を訪問し、東京へ帰ってきた日と記憶している。帰路につく途中で、ふと、放ったらかしにしてある卵が孵化していないかと気にかけたが、帰宅してすぐに卵を見るわけでもなく1日が過ぎようとしていた。夜いつものようにパソコンに向かっていると、昼間気にかけた卵のことを思い出した。文字通り「放ったらかし」であるから、旅行前に卵がどういう状態であったかは覚えていない。ただ当時は、1番目の画像のように大きめのプラケースに水ゴケを敷き詰めて卵を並べていた。その中の
1個の卵が殻だけになっていたのである。抜け殻になった卵の殻を手に取り、我を忘れて水ゴケの下に隠れていたベビーを取り出した。カメラはコンパクトデジタルカメラを3台使用しているが、2台目のリコーキャプリオG4の調子が悪いため、1台目のキャノンIXY300で撮影をした。そのため、マクロ機能が使えず、興奮して手が震えてしまい手ブレをしたり、見切れてしまった。画質が違うのはカメラの違いと撮影者の技術であることをご容赦願いたい。余談ではあるが、今はリコーCX6を使って撮影をしている。このカメラは誰でもマクロ撮影で上手く撮れる。
 うちには米国製インキュベーター(孵卵器)も温冷庫もあるが、現在使用していない。なぜかというとうちでは実際に成果が上がっていないからである。米国製インキュベーターと言っても、発泡スチロールの箱にヒーターとサーモスタットが付属しているだけであり、温度と湿度が一定に保てる環境さえあれば事足りてしまうため、自作している人もいるからである。それでは現在はどのようにしているかと言うと、所謂「湯煎式」である。わかりやすく言えば、水槽にヒーターとサーモスタットを入れて、その上にタッパウェアに入れた卵を置いているだけである。アカミミガメの場合は、28℃以下で♂、29℃で両性、30℃以上で♀が生まれることが研究結果として明確になっているので、そのような環境を作り出すことが出来れば良いということである。「湯煎式」なので、水が自然に蒸発するところをビニール袋を掛けておけば水滴が付く訳である。気になる孵化材だが、うちでは「ハッチライト」と水ゴケを使用している。孵化材もどれを使ってもあまり関係がないと言いたいところだが、実は意外と重要である。どこが重要かというと、その保湿力が重要である。アカミミガメの卵の殻を実際に触ったことがある人のほとんど全員が、その卵の殻の特徴をまるで「ゴム」のようだと表現する。卵の殻を「ゴム」のようだと言うこと自体滑稽な話だが、どういうことかと言うと、アカミミガメの卵は、我々がいつも食している鶏卵とは違うタイプの卵だということである。鶏卵は殻が固くて乾燥に強いタイプであり、ハコガメなどはどちらかというと鶏卵タイプと言える。その反面、アカミミガメの卵は、殻が柔らかくて、殻の下についている薄皮が厚くて伸縮性がある。正確に言うと、殻ではなくてこの薄皮が「ゴム」のような物質なのかも知れない。このようなタイプの卵は乾燥すると凹んでしまうので保湿力がある=湿度が高い状態でないといけないのである。ハッチライトは爬虫類の孵化専用に作られただけの物であり、オールマイティーに使用できる優れた孵化材だと思う。似ているのは園芸用として販売されているパーライトであり、こちらでも問題はないが、高価ではあるがハッチライトを使用するのが望ましい。注意点は、いかにもそのまま使用するだけみたいな言葉が英語で書かれてあるが、くれぐれも水分を適宜加える必要があることをお忘れなきよう願いたい。

2章 親個体

 アカミミガメの孵化日数は、60日から90日程度と言われている。この間、乾燥やカビなどの様々な障害から卵を守らなければならない。アルビノは劣性遺伝であるので、そもそも孵化させること、無事に育てることが難儀である。繁殖への近道は、無論卵の管理だけではなく、健康な種親に受精卵を産ませることが先決であり、繁殖させることは、種親を育て上げることからもうすでにスタートしている。アルビノの場合は、一般的に卵を産む♀親を育てることが重要視されているが、私自身の経験から言うと生殖能力のある♂親を育てることの方が難しいと思われる。種親の話をすると、♂は約3年から5年、♀は約5年から10年で成熟するようである。うちでは4年目から♂は交尾行動を取り、♀は産卵をし出す。♀の初産はほとんど無精卵であり孵化には至らない。実際には5年目以降のようだ。♂と♀では相性があるようで、かなり好き嫌いが激しい。動物なので♂と♀がいれば勝手に交尾し、勝手に有精卵を産んで孵化すると思いがちだが、アルビノはそんなに簡単にはいかない。亀の世界でも人気のある♂と♀は決まっている。どこがどうだから人気があるというのは亀に聞いてもわからない。♂と♀を複数飼育しながらペアリングをして行く他はないが、すべての♂が生殖行動をするわけではないし、♀の目の前で「爪を振る」求愛行動すらしない♂が多い。そのため繁殖のハードルが高いのである。また、あまり知られていないが、アルビノの♂と♀が交尾をして産んだ卵からアルビノが生まれないということもある。後述する「ストレイン」違いということらしい。

3章 飼育・育成

 種親にするまでにどのように育成するかであるが、運良くベビーから飼育することが出来た場合は、なるべく小さいスペースから単独で飼育し始めることがベターと言える。なぜかと言うと、概してアルビノは視力が弱いのでエサを捕るのが下手だからである。単独であれば、その個体がどれぐらいエサを食べているかがわかるからである。アカミミガメは他種に比較すると協調性は高いが、エサが足りなくなると尾などを噛み合う。ベビーから甲長8センチぐらいまでは、水温は28℃から31℃ぐらいで、配合飼料だけでの飼育はしないで毎日1日に2回から3回の給餌を行う。エサはケチるとろくなことがない。うちでは冷凍ブラインシュリンプと冷凍アカムシを80%、ガマルスやレプトミンなどの配合飼料を20%給餌している。自然界では、ユスリカの幼虫やヨコエビなどを食べているようなので、一番それらに近い物を与えている。必ずバスキングが出来るようにホットスポットを作ることと、爬虫類専用のライトを使用することが最も重要である。性別が判定できる甲長約8センチを超えたら、配合飼料の割合を増やして行く。サブアダルトサイズになれば配合飼料だけでも飼育は可能だが、繁殖を目指すのであれば、小魚やモエビ・ザリガニなどを与えることである。肉食性ではなくて雑食性なので植物も食べるようである。そうして育ててきたのが、下の画像のハイイエロー♀個体である。もう12年ぐらいになるが、USCBの”ビックベントタイプ”として輸入された個体である。亜種である「ビックベントアカミミガメ」のようにアカミミ部分が割れている個体であり、当時は非常に珍しかった。今でもあまり目にすることは出来ないと思う。実際にこの個体以外の”ビックベントタイプ”は、他に1個体しか見たことがない。あくまでも”ビックベントタイプ”なので、おそらくリオグランデ川に生息するアカミミガメ(リオグランデ・スライダー)のアルビノと思われる。ベビーの頃からカロチノイドの含有量の多いエビ類などをしっかりと与えていれば、血統(※ストレイン)にも因るがオレンジ色に近いような「ハイイエロー」な個体に育つと思われる。「と思われる」という意味は、アルビノのストレインについては良くわかっていないからである。アルビノは、元来メラニン色素の先天的欠乏症であり、そのメラニン色素の欠乏度合に因り、いくつかのパターンに分けられるようである。したがって、カロチノイドの含有量の多いエサを与えているからといっても必ずしも「ハイイエロー」になるとは断言はできない。この辺りの話は、ウィキペディアのアルビノについての記述の「アルビノの種類とメカニズム」を参考にして欲しい。

【秋から冬にかけてはオレンジに近い色になることがある】RIMG0592
【今はハイイエローでもべビーの時は白っぽかった】
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【甲長7.5センチ程度 成長の速さはトップである】

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【甲長10センチ程度 脱皮前、♀確定】
アルビノビックベンド
【他種スライダーとの混合飼育】
ビックベンドメス
【セミアダルトサイズ 脱皮直後の成長線に注目】
IMG_0195.JPG ビックベンド
【ここまでくるとまさに「オレンジの域!?」】

オレンジ

4章 目標は「ハイイエロー」から「オレンジ」へ

 自家繁殖でベビーから育ててきたハイイエロー♂は、下記の画像のように成長をしてきている。♂なので♀親の形質の80%以上が遺伝すると思われる。途中世話が足らずに少し甲が凸凹になってしまい、脱皮をするまでに時間がかかった時期があった。現在、甲長11.5センチであり、成長度合いは比較的に遅いほうであるが、来年2016年度は4年目になり、甲長13センチ程度まで成長をする見込みである。♂としてはもう少しで成熟と言えるのではないかと思う。上記の♀親と「戻し交配」をする予定であるが、交配をして行くに連れて「まさにオレンジ」とも言えるような色の個体を固定することができるのではないかと目論んでいる。目指している色は、あくまでも「オレンジ」であり、「ハイイエロー」ではないことを申し添えておく。

 あとがき

 いろいろと世間を騒がせているアカミミガメではあるが、環境省ホームページの「アカミミガメ対策推進プロジェクト」を参照していただき、飼育者は責任をもって終生まで飼育をして欲しい。ここでは敢えて多くは語らないが、このHPを見てくれている読者諸兄は、環境省のプロジェクトに賛同し、啓蒙活動を推進して欲しい。そうでなければ本当に特定外来種に指定される日が来てしまう危険性があると考える。
 たとえノーマルアカミミガメであろうとアルビノアカミミガメであろうと「アカミミガメ」は「アカミミガメ」であることには変わりがないのだから・・・
  

         2015年11月1日、HP3周年記念特集として特別公開する。


【2012年11月末に撮影 甲長6.5センチ 日差しは強くないがバスキング】

ハイイエロー

【2012年12月末に撮影 室内水槽での爬虫類専用ライトでバスキング】

ハイイエロー♂
【2013年1月末に撮影 曇天下ストロボ、甲長8センチだがまだ性別判定不能 ♀か?】
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【2013年3月末に撮影 曇天下、甲長9センチで急に爪が伸びた ♀だと思っていたが♂確定】
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【2013年11月末に撮影 太陽光下のストロボなし、甲が凹つきコケ生える】
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【2014年7月末に撮影 甲長11センチ、脱皮後甲が硬くなり光沢が出る】
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【2015年7月末に撮影 薄くてやわらかい皮が付いている】
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【2015年9月末に撮影 薄くてやわらかい皮を脱皮後、マットイエローになる】
20150909
【2015年9月末に撮影 脱皮直後の上の画像より数日後少し光沢が出る】
20150913
【2015年10月末に撮影 甲長11.5センチ 水温が下がり色が濃くなる】
20151101                                   

                                                                                                         以上

 

 

 

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