恐るべき肺炎
恐るべきシリーズ第2弾です。しかもご無沙汰の『どアップ顔』です。(笑)
人間でもなると恐い肺炎ですが、亀にとっても命取りになりかねない病気です。
まるで鼾(いびき)のように呼吸音を立てるようになるので要注意!!!
たまたま体の右半分を浮かしたように不自然な泳ぎをしている個体を発見しましたので隔離をしたところ、案の上肺炎でした。今となっては、陸場を占領している♀個体の1頭ですので、肺炎で具合を悪くして不自然な泳ぎしかできなくなっていたのだと思います。人馴れしているので「スライダー」の名前の由来如く「滑るもの」ように水へ飛び込むほど素早い個体ではないので、もう少し早く気が付いていればと反省しました。
エサは少し食べており、水も飲んでいるようでしたので、うちの亀の主治医である神奈川県川崎市の石田動物病院の石田先生に相談をしたところ、早速「粉薬」を処方していただきました。水に溶かして飲ませるのですが、スポイトやシリンジ(注射器)で喉の奥へ流し込みます。
薬の匂いや味を嫌がる個体がいますので、うちではビタミン剤「レプチゾル」に混ぜて飲ませました。本来はエサに混ぜて食べさせるのが最良の方法です。
気性の荒い種類の亀ですと、威嚇して口を開けるので比較的に喉の奥まで流し込み易いのですが、口を開ける元気もない個体や箱になってしまう亀などは口を開けさせるのに一苦労です。
しかし、アカミミガメはコツさえ掴めばさほど難しくありません。
先ずは、利き手でない手で背甲と腹甲を挟んで持ちます。このときの頭部は、無論上になるようにして持ちます。
次に、亀の顔に水道の蛇口などから水を掛けます。そのときに目をつぶり口を開けば、利き手に薬を溶かして吸い込ませておいたスポイトやシリンジの先端を口の中に差し込んで一気に噴射させて飲ませます。
顔に水を掛けても口を開かない場合は、スポイトやシリンジの先端で鼻先や嘴を突きます。そうすると対外は威嚇するために嫌々ながらも口を開きますので、その隙にスポイトやシリンジの先端をねじ込んで噛ませて飲ませます。重要なポイントは、頭部を下に向けると吐き出してしまうので、きちんと飲み込ませることです。経口投与ができない場合は、注射するしかありませんが、亀を診てくださる石田先生のような良心的で信頼できる獣医さんに診てもらってください。
ちなみに・・・この個体は、隔離してから徐々に水温を上げてビタミン剤に溶かした「粉薬」を毎日経口投与した結果、3日目ぐらいから呼吸音を立てなくなり、甲の傾きが無くなるまで、約40日間で完治しました。今から外に戻すのは危険なので、この冬は室内加温でこのまま春まで過ごさせます。正月にスノー♂♀だけでペアリングさせてみようかなと思います。40日間毎日薬を飲ませるのは気が長いですが、最低でも治癒するまでこれぐらいの期間が必要ですので、いかに根気良く治療できるかにかかります。やはりエサ爆食して暴れ回るぐらい元気な個体が良いですね。石田先生ありがとうございました。